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「探偵はBARにいる」を観てきた。

「探偵はBARにいる」を観てきた。
映画の感想を書くに当たって、困ったことがあった。
 映画に詳しくないってことだ。
 撮影技法だとか、監督の特徴、役者の特長なんてのは最近まで全く興味がなかったし、これから詳しくなれるかっていったら無理な話。好きな映画と好きな監督と好きな役者ってまったくべつなんだから。
 じゃあ、どうするか。その映画について自分がどう思ったか。それを素直に書く。
 詳しい人からすれば「どこを見てるんだか」と笑われるようなことを平気で書こう。 そんなこと解ってる。ってことも平気で書こう。俺はこの映画の此処が面白かったんだ! そういう素直な気持ちだけ書こう。
 だから、これは批評じゃあない。評価はするけど自分の中のマイランキングにすぎない。
 あと、ネタバレが含まれるっす。

「探偵はBARにいる」
監督:橋本一
脚本:古沢良太、須藤泰司
出演:大泉洋、松田龍平、西田敏行、小雪
配給:東映
時間:125分
 探偵というと、自分の場合真っ先にあがるのは「ホームズ」や「ポアロ」のイメージで、頭脳明晰で冷静な人物。
 探偵ではないけれど、「刑事コロンボ」や日本製なら「相棒」なんかもそう。古畑任三郎なんかは日本版コロンボだし。
 けれどもそういう人たちってハードボイルドってわけではない。
 「探偵はBARにいる」はハードボイルドな探偵物。
 ただ、感情に流されないだとか、冷徹だとか、そういう性格的なハードボイルドではなくて、暴力に屈しないだとか、信念を貫くだとか、生き様としてのハードボイルド。

 この映画を知ったのはTVCM。
 ただボゥっと見ていただけなので、主演が大泉洋ってくらいなだけ。
 その後に、色々なサイトで名前が挙がっていたのである意味衝動買いのような感じでみた。
 ちょうど友人がその日、これを見てきたって話をしていたのもあった。
 まぁ、誰かと映画の話がしたかったんだ。要するに。
 だから予備知識なんて全くなかったし、パンフレットを買ったときに原作付きってことを知ったくらいで、大泉洋だからコメディ色が強いんだろうな。って思ってたくらい。
 率直な感想としては可もなく不可もなく。
 前半は探偵がどんな人物なのかって要するに説明パート。
 探偵がどんな人物で、周りにどんな奴がいて、今回のこの映画はどんな事件で、事件に関わる人物はどんな奴らか。
 ハードボイルドだけど探偵は大泉洋の演技もあって本当に喜怒哀楽が激しい。本当に直情怪行。依頼人にも相棒にも何にでもキレるし、よく笑う。
 でも感情的な分、手を引けと言われればムキになって逆に首を突っ込む。この暴力に屈しないってのを見ればハードボイルド。ポリシーをもってそれを曲げない。そんな人物だってのが説明されていく。
 そして、映画冒頭で西田敏行が演じる霧島敏夫が殺される。西田敏行の演技もあって霧島という人物がその数分でどんな人物なのかってかが大まかに解る。「胡散臭いけどいい人っぽい」と。
 そんな感じの前半にアクションもあったりで引き込まれそうになったんだけど、引き込まれないところがあった。

 サムい。

 ちょこちょこと入る大泉洋のナレーションがサムかった。
 小説ならなんの違和感もなく読めるんだろうけど、これが音声で聞こえるとなると、サムい。なぜ入れたと思うくらい。
 ラストでこのナレーションを踏まえたシーンも出てくるんだけど、ナレーション無くてもよかったよね? って思えた。
 そして、後半になると今度はそのサムいナレーションが全くなくなる。
 普通の映画になる。
 同時にギャグも減ってくる。要所要所の小ネタはあるけれど。
 正直、前半よりも後半の方が素直に面白い。
 アクションはもう身体だけ使ってただ殴る。蹴る。道具を使う。そして逃げる。とにかく逃げる。
 もうね、高田が空手師範代で強いけど、それが無双にならなくて、とにかく何人かは蹴散らすけど最後には逃げる。ってのが個人的にすごく好みで好感が持てた。
 
 映画の主役は大泉洋演じる探偵だけど、主人公は西田敏行演じる霧島。
 この映画の中で探偵の本名は出てこない。捜査をする中でも探偵は「貰った名刺」で偽名を名乗るし、松田龍平演じる助手兼運転手も名前を呼ばない。探偵が出入りするBARのマスターにいたっては台詞がない。もっぱらお前とか、貴方とかって呼ばれる探偵。
 それに対して、冒頭で死ぬけど要所要所でキーになってその人柄についても少しづつ語られていく霧島。
 この映画は「BARにかかってきた電話をきっかけに巻き込まれる事件の真相」よりも「電話をきっかけに霧島を知る」映画。
 事件の黒幕なんかは「ぽっと出の悪人」だし「電話の依頼人の正体」なんかはもうバレバレで、意外性なんて無い。
 霧島と言う人物を探偵が追っていくことよって知っていく。霧島とその周りの人物達の人間ドラマだった。
 ところどころのすこし浮いた演出や台詞を除けば本当に大好きが詰まった映画だ。



 P.S. これを書いている日の前日あたりに続編製作決定のニュースあったので、それまでに原作を読み切ってしまおうかなと思う。

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