Living With The Dead監督:富樫渉
出演:村松健、藤達成、亀田梨紗、板橋駿谷、永田真理、北川帯寛
公開:2011年
時間:48分
●ストーリー
謎のウイルスが蔓延してからしばらくが経ち、ゾンビが日常にいることが当たり前になった世界。
ぼんやりとバイト暮らしを続けるフリーター・庄司の前に、片手を失ったゾンビが現れた。
ゾンビを家に置き、共に暮らし始める庄司。
しかし庄司の周りに徐々に変化が起き始めて...。
●感想
今 度 こ そ ゾ ン ビ ー が ペ ッ ト !
こんどこそってなんやねん、って思った人は
こちらをどうぞ。
えー、前回ゾンビーと共存した世界を描いた映画だったんですが、今回はそれが日本を舞台にしたものですね。
正直なところ、日本映画って自分ほとんど見ないんですよね。
日本のドラマとかってあんまり見てて好きになれなくって。
これも、偶然見たんです。
ユーストリームで配信してまして、それで偶然見てたんです。
ゾンビ物ってのはタイトル見てすぐに解りましたんで、すぐに見ました。
舞台は冒頭で出た通り、平成11年にゾンビーになる「ブードゥーウィルス」という病原菌が発見、治療法はなく感染したらそれまでよ。なんてテロップが流れるんですが、それで終わらない日本。
日本での感染者も膨大な人数になってきた平成14年「感染者の人権を守る会」が「感染者を死者と認めない」と主張しちゃったわけです。
いままでなら「ゾンビーは人間じゃねぇ! やられる前にぶっころせ!」だったのに「ゾンビーだって人間なんだ! 保護しろ!」ですよ。
マジプロ市民は鑑ですわ。
しかも国会でも「感染者差別禁止法」可決しちゃって、感染者は障害者と認定。
つまり、ゾンビーは「れっきとした人間なんです!」が法的に認められたわけで。
親族のみ、自宅で保護して、外出時には首輪付けてね。
ですよ。
ぶっちゃけ、ゾンビーが親族だったら、犬かなんかと同じように扱ってオッケー!
日本の懐深すぎて奈落が見えるぜ……!
その後も感染者の人権向上のデモが起きたり、そのデモに感染者確認されなかったり。保護法出来たり、してついに感染者三百万人突破!
したところから始まるです。
この映画の凄いところは「ゾンビーが化け物ではない」こと。
あくまで、障害者とか、ちょっと危ない動物程度の認知なんです。
路地裏では、チンピラに普通にボッコにされてるゾンビーも居るし痴漢と間違われて女性にバッグで殴られまくるゾンビーだっている。調子ぶっこいて食われたりもする。
このゾンビー達、ゾンビーノでもそうだったけど首輪が付いていないのを「野良」と呼ばれるんですね。ゾンビーノでは「ワイルドゾンビ/野生ゾンビ」だったんですけど。
その「野良」とか「首輪」とか、餌をあげたり、散歩させたり、本当に扱いが犬なんです。
野良ゾンビの駆除だって、特別な組織がするわけじゃない。保健所任せです。
保健所に電話して連れて行ってもらいます。
保健所マジ万能。
ゾンビーノではあまり説明されなかった「ファイドが主人公たちを襲わない理由」がこの映画では説明しなくても「懐いたから」なんだろうなぁってのが自然とわかるんです。
それこそ、犬が懐いた、懐かない。大人しい犬、獰猛な犬。そういう位の「違い」が明確にあるんですよね。
ゾンビーの大体な物に感じるんですが、このゾンビー達、実に可愛い。
途中ゾンビーの散歩中、別の散歩中のゾンビーと抱き付き合っちゃったり、公園で鳩捕まえてたり、その羽根でむせ込んだり。
っつうか、ゾンビーってむせるんだ!? ですよ。死んでるくせに苦しかったりすんのかって。
生活の中にゾンビが溶け込んでるという意味ではゾンビーノを超えているし、登場する人間たちも「あー、こういう人居るなぁ」って思えるほどリアリティがある。
そういう面から見ても、最近テレビで見るような人間じゃあないんですよね。
愛想がいいような悪いような、活気があるようなないような、そういう人間同士のかかわり、そして最初のテロップでの日本政府の行動や一部の日本人達の運動。
そういうゾンビーの表現以外でも人間模様が素晴らしい作品だと思いました。
[配信予定]
3RD THEATER SELECTION(入選作配信)
10月22日(月〜10月26日(金) 各日20:00
3RD THEATER FESTIVAL 2013
2013年7月11日(木)・12日(金)・13日(土) (※配信スケジュール未定)
[3回]
PR
COMMENT